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食品業界レポート

テーブルマーク株式会社

川越 康史 様

 毎年、年末には食品業界において、この一年間で起きたことの振り返りを行うことにしています。2013年は、さまざまな自主回収や食中毒、規格基準違反、虚偽表示、そして農薬混入と、食の安全を脅かす、あるいは、食に対する信頼を失墜させる案件が、年末まで後を絶たない一年でした。

 昨年の案件の中で、メニューに関する虚偽表示の案件は、改めて「情報」というものについて考えさせられる案件でした。案件には様々な背景があるようですが、改めて「情報」が物の価値や評価、場合によっては、品質をも決めている実情を再認識しました。私達は、物やその表示を見ながら選択し、購入・消費していますが、実は、物を味わっているのではなく、「情報」を味わっていたのかもしれません。

 確かに、情報環境の変化に伴い、自分の選択が、他人やネット情報に依存する比率が高まっているのを意識します。改めて、人や情報やマスコミに影響を受けやすい自分を感じます。

 情報化社会の導入に伴い、以前は外部情報に頼る時もありましたが、現在の情報の氾濫状態では、自分で情報を選択・判断できるようになることが必要な時代になっています。2004年に施行された消費者基本法でも、消費者と事業者の情報の質、量、交渉力等の格差について言及されており、消費者の権利として、安全の確保、商品について自主的かつ合理的な選択の機会の確保が明記されています。これは、情報環境の整備と同時に消費者も適切に選択できるようになることが求められています。

 虚偽表示の案件に関し、意図性以外の要因を考えると、食材の情報に係る関係者の知識、表現、理解、そして関心の不足が要因の一部として挙げられます。情報の発信者や受信者は、物や情報に対し、高い関心を持つと同時に、その情報を、読み取り評価する力、見極め判断する力、そして、誤認がないように適切に表現する力が求められていると思います。

 今の社会では、情報は必要不可欠なものであり、正しく利用してその価値を活かすものです。この情報化社会は、確実に進展していきます。今後、情報を取り扱う人は、より一層の高い倫理観をもって対応することが求められます。

 品質管理の業務では、多くの情報を取り扱います。情報の重要性を再認識したうえで、常々高い関心と自信を持って正しく取り扱っていきたいと思います。

 さて、堅苦しい話になってしまいましたが、食は情報で食べるものではなく、おいしさを楽しむものです。いろいろな情報を取りつつも、自分の評価軸で味わい、食を楽しみたいと思います。

 「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。料理といった形あるものではなく、無形の「日本人の伝統的な食文化」に対する登録です。寒い時に暖かいうどんをすする。これも日本人の伝統的な食文化の一つと思います。暖かい美味しいうどんを食べて、身も心も温めたいと思います。是非、弊社テーブルマーク自慢の「さぬきうどん(冷凍)」を是非ご賞味下さい。

 このポータルサイトは、食品製造業界の情報発信の場として、JFEシステムズ様が立ち上げられました。食に関するさまざまな情報発信や共有には良い場と思います。今後ご発展を祈念いたします。このような投稿の機会をいただきありがとうございました。

テーブルマーク 川越

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