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食品業界レポート

一般社団法人 日本冷凍食品協会

木村 均 様

 昨年来、食品への異物混入の報道が急増しています。大手ハンバーガーチェーンや即席麺、離乳食、弁当、缶詰、冷凍食品などで、虫、ビニール・プラスチック片、金属片など様々な異物の混入がメディアを賑わしました。従来なら大して問題にならない事案でも、最近は新聞に社告を掲載し、該当商品の回収に及ぶケースが続出しました。

 その背景には、そのハンバーガーチェーンへの不信感が高まっていたところに異物混入事案が上乗せされて、マスコミの格好の話題にされたことや、購買者が事実確認の前にSNSを使って広く公表してしまったことなどが考えられます。そのため、供給事業者側が無用な騒ぎが起きないように、予防的意味から社告や回収の対応を行ったと思われます。

 社告や回収はどのような場合になされるべきかについては、これまで色々と議論が重ねられてきています。最も重要なポイントは、消費者への健康被害の可能性があるかどうかです。加えて、その広がりの可能性も考慮されることになります。該当商品が極めて限定されるのであれば、大々的に回収する必要はありません。また、例えば安全基準値を大幅に超える薬物などの場合は当然回収対象になりますが、虫、ビニール片、髪の毛などは、一般的に気持ちが悪い程度の話であって健康被害には当たりません。家庭や一般外食店でも時折経験することです。

 その中で、虫については除去が極めて難しいケースがあります。ゴキブリなどの混入は工場での衛生管理が問われますが、原料野菜などでは、栽培時に付着した虫が見つけにくいことが多々あります。例えば、枝豆の中に入る蛾の幼虫やブロッコリーの中の小さな虫は、外見からは見つけにくく、エックス線検査でも見つけられません。中国の冷凍野菜工場を視察した時に、大勢の女性従業員が一心不乱にブロッコリーの中を覗き込み、虫を探している姿は印象的でした。それでも見落としは防げません。食品工場では、エックス線検査などによって金属や石などはほとんど除去できますが、動植物の異物の発見はまだまだ難しいのが現状です。

 当協会では、主要会員社のお客様相談室担当者を集めた研究会を開催していますが、その中で、お客様からの苦情について情報共有を行っています。苦情の中でも異物混入の件数はかなり多く、特に昨今は急増しています。しかし、お客様自身の誤認によるものも少なくありません。工場では使っていないビニール片、輪ゴム、歯の詰め物、爪楊枝など、様々です。異物混入の原因について、お客様との認識が一致しないケースも多く、ますます対応が難しくなってきているのが現状です。

日本冷凍食品協会 木村

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