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食品業界レポート

味の素冷凍食品株式会社

須賀 良臣 様

 農水省は、平成22年度国内の食品廃棄物量を約1,700万tと推計しています。その中で「食べられる」のに捨てられている、いわゆる「食品の廃棄」が約500〜800万tと推計しています。

 「食品の廃棄」を減らしていくことは、環境面からとても重要な課題であり、また、輸入食品比率が約6割と高い日本では、食料事情の安定化にもつながる課題と思います。

 「食品の廃棄」量は、製造・流通・販売・外食産業などの食品関連事業者からの事業系廃棄が300~400万t、一般家庭からの廃棄が200~400万tと推計されています。

 事業系では、賞味期限切れや残期間が短くて販売できなくなった(いわゆる1/3ルール)在庫品や返品、規格外品、表示ミスなどによる回収品、食べ残しや注文がなかったために提供できなかった食材などの「食品の廃棄」があると思います。一方、一般家庭からは、作り過ぎによる食べ残しや冷蔵庫に入れたまま期限切れになった食材などの廃棄が相当量あると推測されます。

 このような状況の中、我々食品関連事業者は、「食品リサイクル法」により、製造時の残渣などの発生抑制と減量化、食品の流通・消費で生じる売れ残りや食べ残しなどの廃棄を抑制し、最終処分量の減少に取組んでいます。また、発生してしまった食品廃棄物は、飼料や肥料へ再利用するなど、循環型社会を目指しています。また、比較的賞味期限の長い加工食品については、期限切れによる廃棄を減らすため、期限の見直しも行われています。

 また、家庭に対しての「食品の廃棄」量について、手前味噌で恐縮ですが、冷凍食品を例に有効性について、述べさせて頂きます。

 冷凍食品は、次の4つの条件を満たしています。
  ①前処理している。
  ②急速凍結している。
  ③適切に包装されている。
  ④品温を-18℃以下で保管している。
4つの条件のうち、「食品の廃棄」に関連の深い①と④について、説明させて頂きます。

 「前処理している」とは、お客様(利用者)に代わって調理をさせて頂いているということです。魚フライでいえば、新鮮な魚を選び、しっかり水洗いしたうえで、頭・内臓・骨などの不可食部(食品廃棄物)を取り除いて、切身にして、その切身にパン粉をつけて、油で揚げるだけで魚フライができるようにします。お客様はフライをするだけで、美味しい魚のフライが召しあがれ、調理時の食品廃棄物は出ません。また、最近の一般消費者向けのフライ類は「揚げ調理済」主流で、電子レンジで温めれば、調理が完了です。家庭で揚げる必要がないので、フライによる廃油が発生しません。

 また、冷凍食品は-18℃以下で保管しますので、比較的長期間の保存が可能です。食べたい時に、必要な分だけの調理が可能です。食べ切りではありません。余りは、冷凍庫で保存が可能です。
このように、冷凍食品は調理時の廃棄物が無く、食べ残しや期限切れによる「食品の廃棄」も殆ど発生しません。とってもエコな食品の一つです。

 最近は、お弁当にそのまま(凍ったまま)入れて頂くと、お昼においしく召しあがれる商品が、冷食各社から種々販売されています。自然解凍(お弁当箱の中で解凍されます)で、美味しく召しあがって頂けるように工夫された商品で、調理にかかる「時間」や「エネルギー」も消費しません。とっても便利に、更にエコになりました。皆様も、機会がございましたら、冷凍食品を是非お試しください。

 最後までお付き合い頂きありがとうございました。また、このような機会を設けて頂いたJFEシステムズの皆様に感謝申しあげます。

味の素冷凍食品 須賀

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